今日は「お金の保有量」と「お金の使い方」という2つの側面から、お金と幸福感の関係性について考えてみたいと思います。
「お金の保有量」と幸福感との関係性
お金について抱くイメージは、人によって大きく異なります。
私が主催するお金や投資の講座でアンケートをお願いすると、様々な回答に出会います。
もっと稼ぎたい。
お金についてもっと知りたい。
宝くじに当たりたい。
お金持ちと結婚したい。
お金について考えるのは面倒くさい。
金儲けの話をするのはいやらしい。
お金は汚いものだ。
株式投資はギャンブルにみえる。
NISAとかiDeCoとか難しすぎる。
ポジティブなものからネガティブなものまで本当に様々な意見が聞こえてきます。
いずれも大切な価値観であり、どれが正解ということはありません。
ただ、ひとつ言えることは、お金は生きるために必要な道具のひとつであるということです。
日々の生活が安定し、将来の見通しが立つまでは、収入や資産の増加と幸福感が直結する傾向にあります。
一方で、一定以上の金額になると、追加的に得られる幸福感が薄れていくことも知られています。
自分自身が幸せになりたい、あるいは周囲を幸せにしたい、と思って頑張ってきたのに、ある水準を超えると追加的な幸福感を得にくくなると聞いたら、微妙な気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、がっかりしないでください。
「お金で幸せを買うことはできない」けれど、収入や資産の大小に関わらず、お金の使い方を工夫することで幸福感を高めることはできるのです。
「お金の使い方」次第で幸福感は変えられる
お金を使う時、どんなことを意識していますか。
生活必需品を買うことも、嗜好品に使うこともあるでしょう。
ご自身のために、あるいは、誰かのために使うこともあるかもしれません。
これまでに一番幸せを感じた「お金の使い方」はどんなものでしたか。
少し考えてみてください。
思い出せそうですか?
心理学の専門家であるエリザベス・ダン(加ブリティッシュコロンビア大学)とマーケティングの専門家であるマイケル・ノートン(米ハーバード大学)が書いた共著『「幸せをお金で買う」5つの授業』では、より幸福感を感じやすいお金の使い方として5つの方法を提案しています。
1.経験を買う (Buy Experiences)
2.ご褒美にする (Make It Treat)
3.時間を買う (Buy Time)
4.先に支払って、後で消費する (Pay Now, Comsume Later)
5.他人に投資する (Invest in Others)
物質ではなく経験を買う。
慣れすぎないように特別感を演出する。
有限な時間を大切にする。
先払いしてその後のわくわく感を楽しむ。
誰かにプレゼントしたり応援したりする。
どれもちょっとだけ意識したら取り組めそうなことばかりです。
続けることで幸福感が増すなら、試してみたいと思いませんか?
自分軸をしっかり持てば「お金の使い方」も広がっていく
私たちは自分自身の判断基準、すなわち「自分軸」をしっかり持っている時、後悔することが少なく、納得感のある「お金の使い方」をしやすくなります。
社会や周囲の枠組みを気にして「他人軸」で生きていると、みんなに認められたり一目置いてもらえそうな物を購入してしまうがちです。
本当に欲しくないのにお金を使ってしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ご自身の大切にしている価値観に沿った選択が出来れば、より大きな満足感や幸福感につながる可能性があります。
何にお金を使いたいか、誰のために使うべきか、「自分軸」で判断することが大切になります。
誰かのためにお金を使う幸せについて考えてみる
自分自身の収入や資産がある程度の水準に達し、生活にあまり困らなくなったら、周囲や社会のために使う方法考えてみませんか。
社会には様々な問題が存在しています。
新自由主義的な社会では、努力すればできるはず、出来ないのは本人の努力が足りないからだと切り捨てる向きがあります。しかし、そもそもスタートラインに立つことさえ難しい場合もあるのです。
もしご自身が自分は恵まれている、いまは余裕を持って生活できている、と感じられるなら、この社会の中では特権を持つ側にいらっしゃる可能性があります。
是非その特権を、持たない人たちのために活用してみませんか。
支援を受けた人だけでなく、支援したあなた自身も大きな幸福感を感じることができるはずです。
ご自身の「お金の使い方」を意識しながら、今までとは違った視点や世界を開いてみませんか。
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