『フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方』 by ダニエル・ピンク

ダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方」。

 

本書は、米副大統領の首席スピーチライターを勤めたダニエル・ピンクがホワイトハウスを去り、フリー・エージェントに転じるところから始まる。

 

「フリー・エージェント」とは、企業に所属せず、組織に頼ることもなく、自分の知恵や経験、人的ネットワークなどを生かして働くスタイルのこと。著者の調査によれば、初版が刊行された2000年代初頭、米国では4人に1人がフリー・エージェント的な働き方をしていたとされる。

 

当時と現代では差異もあろう。米国と日本では、社会構造や文化的背景も異なる。しかし、米国から日本に時差を伴って浸透するビジネスモデルや行動様式も多々みられることから、日本人が今後の生き方や働き方を見つめなおすうえでも、参考になる部分がたくさんあると思われる。

 

会社に所属し、決められた職務を遂行する。仕事を最優先として、経済的な安定を得る。定年まで(出来れば定年後も)会社に所属していく。そう願い、社会の変化が生じても何とか逃げ切れる、と思われる方には、読むだけ時間のムダになってしまうかもしれない。・・・が、社会の変化とともに、新たな働き方を模索したい方にとっては、背中を押される一冊となろう。