米国で活躍したカナダ人精神科医、エリック・バーン博士。交流分析の提唱などで有名なバーン博士の「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来だ」という言葉は、つくづく名言だなぁと感じ入っている。我々はよく、会社や家庭、あるいは地元のコミュニティなどの様々な場面において、他者との関係について悩んだりする。自分はこうして欲しいのに動いてくれない、全然分かってくれない、評価してくれない、あの時こうだった、この時もこんなヒドイことがあった・・・などといった具合に。
しかし、悩んだり、不満をぶちまけてみても、悩みの源であるお相手の言動が変わる事例は極めて少ないのではないか。むしろ、良かれと思って言ったことが、うるさいとか余計なお世話だとか思われてしまうリスクがあるかもしれない。
自分の悩みの源を探ってみると、実は「他人と過去」が原因になっていることが多かったりする。「他人と過去は変えられない」というバーン博士の前提にもとづくと、変えられないことについてずっとグルグルと悩んでいることになる。考えて更に嫌な思いをしたり、ネガティブな気持ちを引きずってしまったり。あまり、得策とは言えない行動をつい取ってしまったことはないだろうか。
では、変えられるのは何か?バーン博士によると、変えられるのは「自分と未来」。そうそう、自分の思考パターンや行動様式なら、自分で変えることが出来るはず。そして、その時にとても大事なことは、自分のコア・ビリーフに気付き、それを一旦横に置いてみること。コア・ビリーフとは、自分が正しいと思う信念や価値観。子供の頃に経験した感情や解釈によって、「私は頭が良くない」「人を信じたら裏切られる」「私は愛される価値がない」といった極端な思い込みが、一種の暗示のような形で意識の奥底に形成されてしまった状態を指す。実は気付いていないだけで、多くの人が何らかのコア・ビリーフを持ち、その思いに行動を制約されていたりするのだ。
あなたのコアビリーフが、あたたの人生を制約しなくなるように。あなた自身で決断し、未来を切り開いていけるように。コア・ビリーフから解放され、今までの枠を超えていけるように。生きる意味を見つけ、与えられた使命をまっとう出来るように。「他人と過去」について時間やエネルギーを浪費するのはもうやめて。未来志向で生きてみませんか?
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ありあどね (火曜日, 02 6月 2015 00:54)
他人って、変わりますよ。と、思いました。
誰かと関わりあって私が変わるように、私と関わったことで相手も変わります。
誰かと交流して、まゆみさんが変わるように、まゆみさんと交流したひとも変わります。よね。
「他人を変えられない」という言葉が、「他人をあきらめる」というふうに聞こえて、なるほどそれは生きやすい方法ではありますが、私には少し、さみしかったです。
まゆみ (火曜日, 02 6月 2015 20:37)
ありあどねさん、こんばんは。またまたコメント有難うございます!
確かに、「他人は変えられない」は、「他人をあきらめる」ように聞こえてしまうかもしれませんね。改めて読み直してみて、自分でもそう感じてしまいました(^^;)。
ありあどねさんが書かれている通り、私から影響を受けて誰かの言動が変化したとしたら、それは結果的に「他人を変えた」ことになるかと思います。ただ、上記で考えていたのは、「他人は変えられない」→「他人を意図的に変えようとするべきではない」といった意味のことでした。(分かりにくくて、すみませんっっ。汗)
誰かを変えるために褒めたりなだめすかしたり、説得したり怒ったりすることで、一時的に相手の言動を変えることは出来るかもしれません。ただ、本当の意味で変わるためには、より大きなエネルギーが必要となる気がするのです。その方が本質的な変化を遂げるためにはおそらく、自分自身で何かに気付き、自ら変わりたいと思うことが重要なのではないかと。
コーチング・セッションをしている時に、「アドバイスが欲しいんです」「まゆみさんだったらどうしますか?」といった事をおっしゃるクライアントさんがいらっしゃいます。コーチになりたての頃、クライアントさんの期待にこたえなくちゃ!と思い、ついついアドバイスしたくなってしまう事がありました。(注:コーチングでは
、クライアントさんに対してアドバイスは行いません。答えはクライアントさん自身の中にあり、コーチはその答えを見つけるためのサポートをする存在であると考えるためです。)しかし、実際にアドバイスしたとしても、それは「私の思うベスト」でしかありません。それでも希望されるクライアントさんには、予め「私の思うベスト」であることをお断りしたうえで、お伝えしたこともあります。実際にクライアントさんがその内容を実践してみて、多少変化が現れることもありました。ただ、彼/彼女が本当に望む生き方に舵を切っていけるようになったのは、やはりクライアントさん自身が本気で変わりたいと思った時でした。
そんな事例を目にする中、直接的に相手を変えようとするのではなく、相手が変わりたいと思うのが一番であると思い至りました。その意味で、交流するみなさんに対して何か前向きな刺激となるような言動を発信していけたらいいかなと思っています。受け取って貰えても、受け取って貰えなかったしても、今はそういう流れなのだな、と思うようにして。一生懸命相手を変えようとせず、そんな風な気持ちで生きていけたらいいかなって思っています。
ありあどね (水曜日, 03 6月 2015 07:22)
こんばんは。丁寧なお返事をありがとうございます。
「他人を、その人の納得しない方向に変えることはできない」というような意味なのですね。それなら確かに、そうだなあと思える場面は多々あります。願って誰かに変わってもらおうとするときも、無理強いじゃなく、自発的に気持ちよく変わってもらうことを大事にしています。
ただ、お返事を読みながら、ちょっと心配になったのですが、相談に来た人が本気であることは、疑わないであげてください。どのクライアントさんも、本気だから相談に見えるのだと思います。自分であれこれ試行錯誤して探して悩んで見つからなくて来るのだから、だめもとと思っているかもしれないし、その「ダメモトで聞いてみるけど」という態度が、「本気じゃない」と見えることがあっても、本当は、「本気だけど、相談という手段に半信半疑」なだけのことがある、と思っています。
…プロのひとに何を言ってるんだろう、すみません!
「前向きな刺激」は、すごく素敵です。このサイトも、そういうお気持ちで運営していらっしゃるのか、と得心しました。
これからも寄らせていただきます。応援します。
まゆみ (水曜日, 03 6月 2015 20:01)
ありあどねさん、こんばんは。
メッセージ有難うございます。「無理強いじゃなく、自発的に気持ちよく変わってもらうことを大事にして」いるありあどねさん、素敵です♡周りの皆さんはきっと、ありあどねさんの存在に、とっても癒されていることと思います!!
またまた私、言葉が足りなかったようです。「彼/彼女が本当に望む生き方に舵を切っていけるようになったのは、やはりクライアントさん自身が本気で変わりたいと思った時でした」という部分は、「(略)クライアントさん自身がご自身の判断によって、どの方向に変わりたいかに気付いた時でした」がより正しい表現となります。誰かに選んでもらうのではなく、(ヒントを貰ったり、サポートしてもらったりするのは勿論OKだと思います。)クライアントさんご自身がコレだ!!と選択出来た時のエネルギー感は本当に素晴らしいと実感しています。
相談に来てくださった方は皆さま、本気であると信じています。おっしゃる通り、たくさんの葛藤や試行錯誤を経て、ご連絡頂いていることと思います。セッションの中で、クライアントさんが安心してご自身と向き合えるよう、言葉の選び方やその場の雰囲気も大切にしながら取り組んでいきたいと改めて感じています。そして、毎日が少しでも生きやすくなるように、クライアントさんにとって響く選択(魂が喜ぶ決断)をするためのお手伝いが出来たらいいなと思っています。
ありあどねさん、コメント頂きまして本当に有難うございました。また是非、宜しくお願い致します!