日本経済新聞の「やさしい こころと経済学」というコーナーで、中央大学の山田昌弘教授が連載している記事が面白い。4月30日は、第8章「幸福とは何か」。
曰く、『近代社会の幸福のシステムは、経済成長を前提としていました。「豊かな家族生活」についても「ブランド消費」や「プチ消費」にしても、幸福を約束する商品を買い続けるためには収入の増加が不可欠です。そして、その商品によって人から評価されるという社会的承認を得て、幸福を感じていたのです。よく考えれば人々が本当に求めているのは商品そのものではなく、社会的承認です。それであれば、商品を介在させずに、直接、社会的承認を手に入れたほうが幸福を感じることが出来ます。(中略)仕事をすることも、人とのつながりに結びつけば幸福の源泉になります。引きこもりがちな人の就労支援の中で最も人気があるのが、「犬の散歩の代行」だそうです。自分が世話することによって、犬の喜ぶ姿が見られるからだといいます。(中略)人がつながりを確認し、お互いに承認し合う。そのようなシステムが広がれば、経済的豊かさとは別の次元で幸福を実感することができます。』
幸せだと感じるポイントは人それぞれ。お金が得られたら、有名になれたら、素敵な彼氏/彼女が出来たら・・・。その度合いも、ささやかなものから欲望と呼べるほどの非常に強い感情まで、色々な段階があるだろう。
でも、お金が得られたら本当に幸せになれるのか。有名になれたら満足なのか。立ち止まって考えてみたい。山田教授も書いている通り、表面的な欲求の下に、実は別のニーズが潜んでいないか。自分が本当に求めているのは、誰かに認められたいという気持ちであったり、何らか別の形のニーズだったりはしないか。いま一度立ち止まり、改めて考えてみてもいいかもしれない。
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