もう何年も前のこと。
会社の上司と上手くいかなくて、毎日が辛かった。物理的な忙しさではなく、上司に怒鳴らることが精神的に堪えていた。眠れなくて辛くて、朝を迎えるのが怖かった。
そんなある日、会社の産業医からコーチングという存在について聞く機会があった。スポーツ選手のコーチのように、クライアントの目標に向かってともに歩んでくれる存在だという。先生曰く、「アメリカでは男性も女性も普通にコーチを雇っているし、日本でも外資系金融機関に勤めてる女性でコーチをつけてる人とか多いですよ。良かったら私の知人を紹介しますので、連絡してみてください」と。
早速、頂いた名刺のアドレスにメールを送ってみた。実際に会ってみると、とても話しやすい雰囲気。守秘義務契約もあるから、何でも話すことが出来た。色々な質問を投げかけられるなかで、自分自身と向き合っていく。大切にしている価値観、思考の癖などが見えてくる。そして、何度かセッションを重ねるうち、ある時急に視界が開けた。上司との関係性だけではなく、そもそも何を大切にどう生きていきたいのか、そんな大きな問いへの答えも見えてきた。
人の可能性を開き、響き合う場所を見つける。誰にだって輝ける場所があるから。感動で震えるような瞬間を紡いでいきたい。後悔のない人生だったと、最期に燃え尽きたい・・・。色々な思いが駆け巡り、気付くとコーチングの学校であるCTIの門を叩いていた。そして、自分自身がコーチという職業に就くこととなったのだ。
いつの頃からだったか。大嫌い、許せない、同じ空間にいたくない!と思っていた上司のことが気にならなくなっていた。むしろ、上司の存在がなかったら、私はコーチングの道に入ることが出来なかった、その意味では本当に有難い存在だったと心の底から実感している。
辛かったあの頃。私は自分の不運を恨んでいた。なぜ自分の上司がこの人だったのだろう、と。しかし、今は全ての事象には意味があるのだと感じている。今はまだ分からないことについても、いつかきっと、その意味がきっと分かるはず。。
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